苺大福は緑茶で
「ねえ、のり。雛ね、うにゅ〜食べたーい!」
ポカポカとした窓辺で、寝転んで絵を描いていた雛苺は、立ち上がるとのりに言った。
のりは、ソファで雑誌を読んでいた。ジュンは2階の自分の部屋にいる。
「あっ、苺大福ね。わかったわ。出してあげる」
そう言って、のりはキッチンへ向かった。
「うわーい。あ、真紅もいる〜?」
雛苺は、テレビを熱心に見ていた真紅に声をかけた。
「ええ、そうね。いただくわ」
真紅は、テレビから目を離さずに答える。
テレビに映されているのは、人形劇だ。
「じゃあ、私も食べようかしら」
苺大福を取り出そうとしていたのりが、ふと呟いた。
「み〜んなで食べるとおいしいの!」
雛苺は、小さな腕を大きく回して言った。そして、のりに駆け寄る。
「そうだ。せっかくなんだから、緑茶飲んでみない?」
自分の足元にやってきた雛苺に目線を合わせ、のりは話しかけた。
「緑茶?」
雛苺は首をかしげる。
「そう。紅茶と同じ葉っぱで作られてるのよ」
雛苺の瞳が輝いた。
「雛、飲んでみたい!」
「きっと気に入るわ。真紅ちゃんも緑茶でいい?」
のりは、ダイニングにいる真紅に、立ち上がって声をかけた。
「かまわないわ。たまには違う飲み物もいいわね」
相変わらず真紅はテレビに夢中で、のりの方を見ずに答えた。
「じゃあ、入れるからちょっと待ってて」
「わかった〜なの!」
雛苺は、窓辺に戻ると、また絵を描き始めた。
「おまたせ〜」
「うわーい!うにゅ〜だぁ」
のりがテーブルに苺大福と緑茶を並べると、雛苺はソファから飛び降りてきた。
「これが緑茶よ。さ、真紅ちゃんもどうぞ」
「あら、とてもいい香りね」
「でしょ?大福にはこれがとっても合うの」
「うにゅ〜美味しい!緑茶も美味しい!」
雛苺は、満面の笑みで苺大福をほおばる。
「確かに、紅茶より緑茶の方が合うわね」
「うんうん。気に入ってもらえた?」
「ええ。でも、私としては紅茶の方が好みよ。緑茶は少し苦い」
「あら、そう?」
「でもまあ、大福を食べる時は緑茶をいただくことにするわ」
「雛もそうする!」
「うん。今度からは緑茶を入れてあげるね」
「のり。もう一杯、緑茶を注いでくれないかしら。苺大福もあったほうがいいわね」
真紅は、優しく微笑んで言った。
○あとがき○
真紅たちは、紅茶に砂糖を入れてます!(私の中で)
これは、まだ蒼翠石とかが、出てきてない時に書きました。
なので、「薔薇乙女たちは緑茶など知らんだろう」と。
とにかく、薔薇乙女たちと、日本の文化を混ぜてみたかった。
雛にはずっと「うにゅ〜」って言って欲しい!
それと、ジュン君。主人公なのに出てなくてごめん。
5月1日 訂正